銀行株は買いか?2026年の今後の見通しと本命5銘柄を分析

大畠 典仁

日本投資機構株式会社 アナリスト

銀行株は買いか?2026年の今後の見通しと本命5銘柄を分析

“`html

銀行関連銘柄を取り巻く金利環境が変わっています。日本銀行は9月18日に追加利上げを決め、政策金利は1.25%となりました。貸出金利の上昇が収益を押し上げる一方、預金金利の引き上げや保有債券の値下がりも無視できません。

銀行株を選ぶには、利上げの恩恵がどれだけ利益に残るかと、現在の株価が割高でないかを見比べる必要があります。

本記事では、銀行関連銘柄が注目される理由、本命5銘柄の業績・配当、今後の見通しを整理します。利上げが利益につながる条件と、好業績でも株価が上がらない理由を押さえ、「今から買いか」を考えます。

目次

銀行関連銘柄とは

銀行関連銘柄とは

銀行関連銘柄とは、預金や融資、決済、資産運用などの金融サービスを手がける銀行および銀行持株会社の株式を指します。代表的な企業には、全国や海外で幅広く事業を展開するメガバンクのほか、特定の地域を主要な営業基盤とする地方銀行があります。

銀行は預金と融資を通じて収益を得る

銀行は、個人や企業から預かった資金を企業向け融資や住宅ローンなどに振り向け、その金利差から収益を得ています。この預金金利と貸出金利の差は「利ざや」と呼ばれ、銀行の中核的な収益源の一つです。

ただし、銀行の収益は利ざやだけで決まるわけではありません。振込や決済、投資信託・保険商品の販売、証券、海外事業などから得る手数料収入も重要な収益源となっています。

メガバンクと地方銀行では特徴が異なる

メガバンクは、国内の大企業向け融資に加え、海外融資や証券、資産運用など幅広い事業を展開しています。そのため、国内金利だけでなく、海外経済や為替、各国の金融政策からも影響を受けます。

一方、地方銀行は特定地域の個人や中小企業を主要な顧客としており、地域経済や人口動態、地元企業の資金需要が業績を左右しやすい特徴があります。

2026年に銀行関連銘柄が注目される理由

2026年に銀行関連銘柄が注目される理由

日本銀行は2026年9月18日、政策金利を1.0%から1.25%へ引き上げると決定し、9月24日から適用しました。銀行株を見る際は、追加利上げへの期待に加え、今回の変更が貸出金利と預金金利へどう反映されるかが重要です。

金利上昇による収益改善が期待されている

市場金利が上がると、変動金利の融資などを通じて銀行の受取利息が増えやすくなります。三菱UFJ銀行は11月2日から短期プライムレートを2.375%から2.625%へ改定します。一方、普通預金金利も同日から0.40%から0.50%へ引き上げる予定です。

利上げで増えるのは受取利息だけでなく、預金者へ支払う利息も同じです。両者の改定幅の差が、そのまま銀行全体の増益率になるわけではありません。固定金利の融資が多いか、預金を安定して集められるか、金利がいつ改定されるかによって、利益への反映に差が出ます。

企業の資金需要回復も追い風となる

日銀は9月の金融政策決定で、企業などの資金需要が増え、金融機関の貸出姿勢も積極的だと説明しています。銀行にとっては融資残高を伸ばす機会ですが、借り手の利息負担も増えます。設備投資の計画だけでなく、実際の貸出増加と企業の返済能力を併せて確認したいところです。

資本効率と株主還元への意識が高まっている

近年は銀行各社が、収益力の向上だけでなく、資本効率の改善にも取り組んでいます。政策保有株式の縮減や増配、自社株買いなどを進める企業も見られ、金利上昇による業績改善と株主還元の両面から評価されやすくなっています。

銀行株は買いか?2026年の今後の見通し

銀行株は買いか?2026年の今後の見通し

銀行株には引き続き収益改善の余地があります。ただし、9月の利上げが決まった後も、株価が一律に上がるとは限りません。今から買うかは、預金コストを差し引いた利益の伸びと、株価が織り込んだ成長期待を比較して判断します。

貸出収益の伸びが増益・増配につながるか

政策金利が1.25%へ上がった今、確認したいのは貸出金利の引き上げが実際にどれだけ利益を増やすかです。融資需要が保たれ、受取利息の増加が預金者へ支払う利息の増加を上回れば、収益改善につながります。そこから通期利益の上方修正や追加の株主還元へ進めば、株価の支えにもなるでしょう。次の利上げ時期や幅は決まっていないため、まずは今回の利上げの効果を各行の決算で確かめたいところです。

好決算でも株価が上がらない銀行がある

利益が増えていても、それだけで株価が上がるとは限りません。投資家がさらに大きな増益を期待して買っていれば、会社計画どおりの決算でも物足りないと受け止められるためです。預金獲得競争で調達コストが上がり、利上げによる増収が利益に残りにくくなる場合もあります。増益率だけでなく、ROEや配当が今後どれだけ改善するかを、現在のPER・PBRと見比べる必要があります。

本命5銘柄はいずれも9月25日終値でPBRが1倍を上回ります。「銀行株は純資産より安い」という見方だけでは選べません。筆者は中長期で検討余地があると考えますが、短期の高値を追う際は、今後の上方修正や増配をどこまで見込めるかを確かめたいと考えています。

利上げが銀行株の下落要因になる場合もある

利上げは銀行の受取利息を増やす一方、融資先の返済負担も重くします。国内外の景気が減速して返済が滞れば、銀行は貸倒費用を積み増す必要があります。長期金利の急上昇による保有債券の値下がりも重なれば、収益や資本への懸念が強まります。貸出収益が増えていても、こうした負担が大きければ銀行株は下落し得るため、利益の増加分だけを見て判断しないようにしましょう。

確認する項目決算や株価で見る点投資判断で押さえたい点
貸出と預金の利息受取利息の増加が預金コストの増加を上回っているか利上げが実際の増益や還元拡大につながっているかを確認する
利益成長と株価評価ROE・配当の改善余地に対して、PER・PBRがどの水準にあるか好業績への期待がすでに株価に織り込まれていないかを考える
貸倒費用と保有債券貸倒費用、債券の売却損益、評価差額がどう変わったか貸出収益の増加を打ち消す損失や、資本への負担がないかを確認する

銀行株を今から買うなら、利益が伸びているかに加え、その成長に対して株価が高くなりすぎていないかを確かめます。利上げのニュースだけで判断せず、各行の決算と株価指標を並べて比較しましょう。

銀行関連銘柄は過去の金融政策の転換局面でも注目された

銀行関連銘柄は過去の金融政策の転換局面でも注目された

銀行関連銘柄は、これまでも金融政策の転換や景気回復への期待が高まる局面で市場の注目を集めてきました。銀行の業績は金利だけでなく、企業の設備投資や融資需要にも左右されるため、景気改善が期待される局面では買われやすい傾向があります。過去の相場から、銀行関連銘柄が注目される背景を確認しましょう。

アベノミクスでは銀行株が大きく上昇した

2012年末に発足した第2次安倍政権では、大規模な金融緩和や経済政策を背景に円安・株高が進みました。企業業績や景気回復への期待が高まったことで金融株にも資金が流入し、多くの銀行関連銘柄が大きく上昇しました。

現在とは背景が異なる点にも注意

現在は当時とは経済環境や金融政策が異なり、日本銀行は金融正常化を進める局面にあります。そのため、アベノミクス当時と同じ値動きを期待するのではなく、各銀行の業績や株主還元、金融政策などを総合的に判断することが重要です。

筆者が銀行関連銘柄に注目する理由

筆者が銀行関連銘柄に注目する理由

銀行関連銘柄に注目している理由は、日本銀行の金融政策だけではありません。筆者自身、過去に銀行株へ投資した経験を通じて、金融政策や景気の変化が銀行業界へ与える影響を実感してきました。その経験から、現在も中長期で注目したいテーマの一つとして継続的に調査しています。

リーマン・ショック後に銀行株へ投資した経験

リーマン・ショック後の株式市場では、金融不安から銀行株が大きく売られ、多くの投資家が慎重な見方をしていました。一方で筆者は、日本経済の回復とともに銀行株も見直される可能性があると考え、中長期の視点で投資を行いました。

過去の経験を現在の投資判断にも生かしている

もちろん、当時と現在では、金融政策や経済環境が大きく異なります。ただし、政策転換や景気の変化が銀行株を見直す契機になり得る点は共通しています。筆者は過去の経験だけに頼らず、各行の決算や金融政策を確認しながら継続的に分析しています。

2026年も銀行関連銘柄に期待している

もちろん、過去と現在では経済情勢や金融政策、市場環境は大きく異なります。そのため、アベノミクス相場と同じ値動きになるとは考えていません。

一方で、日本銀行による金融政策の正常化や企業の資金需要の変化、各行の株主還元強化など、銀行業界を取り巻く環境には前向きな材料も見られます。

そのため筆者は、短期的な値動きだけではなく、中長期の視点から銀行関連銘柄を継続して今後も分析を続けます。

銀行関連銘柄の選び方

銀行関連銘柄の選び方

銀行関連銘柄と一口にいっても、メガバンクから地方銀行まで特徴はさまざまです。金利上昇だけを理由に投資するのではなく、事業内容や営業エリア、経営戦略なども比較することで、自分に合った銘柄を選びやすくなります。

投資目的に応じて銀行の種類を選ぶ

メガバンクは国内外で幅広く事業を展開しており、海外事業や法人向けビジネスにも強みがあります。一方、地方銀行は地域密着型の営業基盤を持ち、地域経済や企業活動の活性化による恩恵を受けやすい特徴があります。海外分散や事業の多様性を重視する場合はメガバンク、特定地域の成長性や金利感応度を重視する場合は地方銀行というように、投資目的に応じて比較することが大切です。

事業内容や営業エリアを比較する

同じ銀行でも、法人融資に強い銀行や個人向けサービスを中心とする銀行、海外事業を積極的に展開する銀行など特徴はさまざまです。また、地方銀行は営業エリアの人口動態や産業構造によって成長性が異なるため、それぞれの強みを比較しながら選ぶことが重要です。

中長期の経営戦略にも注目する

銀行各社はデジタル化や海外展開、地域金融の再編など、さまざまな成長戦略を進めています。足元の業績だけでなく、中期経営計画や今後の成長戦略にも目を向けることで、中長期的な投資判断がしやすくなります。

ROE・PBR・配当方針も確認する

銀行株では、株主資本を使ってどれだけ利益を生み出したかを示すROEと、株価が純資産の何倍まで評価されているかを示すPBRも重要です。PBRが低いという理由だけで割安と判断せず、ROEの改善や政策保有株式の縮減、自社株買いなど、資本効率を高める取り組みが進んでいるかを確認しましょう。

銀行関連銘柄の本命5選

銀行関連銘柄の本命5選

ここでは、メガバンク3社と地方銀行グループ2社を比較します。同じ利上げでも収益構造や株価評価は異なります。「本命」は比較検討の有力候補を意味し、将来の値上がりを保証するものではありません。株価だけでなく、業績予想と配当も併せて確認しましょう。

銘柄2026年9月25日終値予想PER実績PBR予想配当利回り
三菱UFJ FG(8306)3,714円—1.84倍2.58%
三井住友FG(8316)6,919円15.47倍1.63倍2.60%
みずほFG(8411)8,626円15.00倍1.82倍1.74%
横浜FG(7186)1,930.5円16.63倍1.47倍2.43%
しずおかFG(5831)3,624円16.63倍1.50倍2.98%

※株価は9月25日終値。PERは27年3月期の会社予想EPS、PBRは26年6月末の連結自己資本と自己株式を除く期末株式数から算出しています。配当利回りは会社予想年間配当を基に計算した税引前の参考値です。三菱UFJは通期利益を目標として開示し、会社予想EPSの公表がないため、予想PERを「—」としています。

三井住友FGは9月30日を基準日として10月1日に1株を2株へ分割します。表の株価・EPS・配当はすべて分割前の基準にそろえています。分割後の株価だけと比較しないよう注意してください。

三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)

三菱UFJフィナンシャル・グループは国内最大級の金融グループです。銀行業務に加え、信託銀行、証券、カード、リースなど幅広い金融サービスを展開し、海外事業の比率が高い点も特徴です。

27年3月期1Qの純利益は8,094億円、前年同期比48.2%増でした。通期純利益の目標2兆7,000億円と年間配当予想96円を維持しています。

国内の金利上昇を取り込める一方、海外融資や市場運用なども業績を左右します。国内利上げだけで全体の利益を予測せず、海外事業の収益と与信関連費用も確認したい銘柄です。

三菱UFJ FG(8306)の月足チャート、2024年1月から2026年9月25日まで
TradingViewを基に弊社作成(月足:2024年1月~2026年9月25日、9月は25日まで)

三井住友フィナンシャルグループ(8316)

三井住友フィナンシャルグループは、法人金融や海外事業にも強みを持つメガバンクです。近年は利益水準を高めており、法人向けビジネスや海外事業を成長分野に位置付けています。

27年3月期1Qの純利益は5,013億円、前年同期比33.0%増です。通期純利益予想1兆7,000億円と、分割前換算の年間配当予想180円を維持しています。

10月1日の1株から2株への分割後は、1株当たりの価格や指標の見え方が変わります。分割自体で企業全体の価値が増えるわけではなく、国内外の利益成長と還元の持続性を見て比較します。

三井住友FG(8316)の月足チャート、2024年1月から2026年9月25日まで
TradingViewを基に弊社作成(月足:2024年1月~2026年9月25日、9月は25日まで)

みずほフィナンシャルグループ(8411)

みずほフィナンシャルグループは、大企業から個人まで幅広い金融サービスを展開しています。過去にはシステム障害などが課題となりましたが、近年は経営基盤の強化や収益力の改善に取り組んでいます。

27年3月期1Qの純利益は4,229億円、前年同期比45.5%増となりました。7月30日に通期純利益予想を1兆3,000億円から1兆4,000億円へ引き上げ、年間配当予想150円を維持しています。

本命銘柄の中でも、すでに業績予想を上方修正した銀行です。ただし、好調さが株価に織り込まれていれば上昇余地は小さくなるため、増益率だけで割安とは判断できません。

みずほFG(8411)の月足チャート、2024年1月から2026年9月25日まで
TradingViewを基に弊社作成(月足:2024年1月~2026年9月25日、9月は25日まで)

横浜フィナンシャルグループ(7186)

横浜フィナンシャルグループは、横浜銀行、東日本銀行、神奈川銀行を傘下に持つ地方銀行グループです。2025年10月にコンコルディア・フィナンシャルグループから現在の商号へ変更しました。首都圏を主要な営業基盤として、個人・法人向けの幅広い金融サービスを展開しています。

27年3月期1Qの純利益は320億円、前年同期比18.4%増でした。通期純利益予想1,290億円、年間配当予想47円を維持しています。

首都圏の融資需要を取り込める点が特徴ですが、貸出金利息とともに預金利息も増えています。預金を集めるための金利負担を吸収し、利益を伸ばせるかを確認したい地方銀行グループです。

横浜FG(7186)の月足チャート、2024年1月から2026年9月25日まで
TradingViewを基に弊社作成(月足:2024年1月~2026年9月25日、9月は25日まで)

しずおかフィナンシャルグループ(5831)

しずおかフィナンシャルグループは、静岡銀行を中核とする地方銀行グループです。製造業が集積する静岡県を主要営業エリアとしており、地域企業との強固な取引基盤を築いています。

27年3月期1Qの純利益は327億円、前年同期比45.0%増でした。通期純利益予想を1,150億円へ上方修正し、年間配当予想も98円から108円へ引き上げています。

増配は魅力ですが、株価も上昇しており、9月25日終値での予想配当利回りは2.98%です。配当額の増加と投資時点の利回りを分けて、利益の伸びや地域企業の資金需要と併せて判断します。

しずおかFG(5831)の月足チャート、2024年1月から2026年9月25日まで
TradingViewを基に弊社作成(月足:2024年1月~2026年9月25日、9月は25日まで)

その他の銀行関連注目銘柄

本命5銘柄以外にも、営業地域や収益構造に特徴を持つ銀行があります。メガバンクと地方銀行では値動きの要因が異なるため、各行の決算や営業基盤を比較しながら検討するとよいでしょう。

銘柄名市場企業概要
【8308】りそなホールディングス東証プライム首都圏・関西圏を中心に展開する大手銀行グループ。個人・法人向け金融サービスに強みを持ち、金利上昇による利ざや改善や株主還元の強化が期待されます。
【7167】めぶきフィナンシャルグループ東証プライム常陽銀行と足利銀行を傘下に持つ地方銀行グループ。北関東を地盤とし、地域経済の成長や金利正常化による収益拡大が期待されます。
【8354】ふくおかフィナンシャルグループ東証プライム福岡銀行、熊本銀行、十八親和銀行、福岡中央銀行、みんなの銀行を傘下に持つ地方銀行グループ。九州経済の成長とともに融資需要の拡大が期待されています。
【7180】九州フィナンシャルグループ東証プライム肥後銀行と鹿児島銀行を中核とする地方銀行グループ。九州で進む半導体関連投資などを背景に、中長期的な融資需要の増加が期待されます。
【8304】あおぞら銀行東証プライム法人金融や不動産関連ファイナンスなどに強みを持つ一方、有価証券運用や海外不動産関連融資の影響を受けやすい点には注意が必要です。収益構造の改善や資産の健全化が進むかが今後の注目点となります。

銀行株が上昇した今、次に問われるのは「どの銀行が実際に利益を伸ばせるか」です。
金利上昇の恩恵を受けやすい銀行や、株主還元の拡大が期待される銘柄を自分だけで絞り込むのは簡単ではありません。アナリストが厳選した注目銘柄を、次の候補選びに活用してみませんか。

銀行関連銘柄へ投資するメリット・デメリット

銀行関連銘柄へ投資するメリット・デメリット

銀行関連銘柄は、金利上昇局面で恩恵を受けやすい一方、景気や金融政策の影響も受けやすい業種です。魅力だけでなくリスクも理解した上で投資することで、より納得感のある投資判断につながります。

銀行関連銘柄へ投資するメリット

銀行関連銘柄の魅力は、金利上昇による業績改善に加え、配当収入も期待できる点です。また、メガバンクと地方銀行では収益構造や営業地域が異なるため、投資方針に応じて銘柄を選び分けることもできます。

銀行関連銘柄へ投資するデメリット

一方で、景気後退や利下げ局面では収益への懸念が高まりやすい特徴があります。また、企業の倒産増加による貸倒費用の増加や、海外事業を展開する銀行では海外経済や為替の影響も受けます。そのため、金融政策だけでなく経済環境全体を踏まえて判断する必要があります。

銀行関連銘柄の配当は増えても利回りには差がある

銀行関連銘柄は高配当株としても人気

銀行各社は利益成長に応じた配当の拡充を進めています。ただし、配当額が増えても、株価の上昇が大きければ利回りは下がります。銀行株を配当目的で選ぶ場合も、過去の高い利回りではなく、今の株価で受け取れる配当を比較する必要があります。

利益成長にあわせて株主還元を強化する銀行が増えている

しずおかFGは年間配当予想を98円から108円へ引き上げました。一方、三菱UFJは96円、三井住友FGは分割前換算180円、みずほFGは150円、横浜FGは47円を予想しています。配当額の違いだけでなく、利益に対する配当の割合や、今後も還元を続けられる収益力を確かめましょう。

配当利回りだけで判断しないことが重要

本命5銘柄の9月25日終値に対する予想配当利回りは1.74~2.98%です。銀行株というだけで一律に高配当とはいえません。配当収入を重視するなら、目標利回りに合う購入価格かを確認します。また、業績悪化による減配や、配当を上回る株価下落の可能性も考慮する必要があります。

銀行関連銘柄へ投資する際のポイント

銀行関連銘柄へ投資する際のポイント

銀行関連銘柄へ投資する際は、政策金利だけで判断するのではなく、銀行を取り巻く経営環境や決算内容にも目を向ける必要があります。収益構造を理解しておけば、中長期的な投資判断もしやすくなります。

長短金利差にも注目する

9月25日には新発10年国債利回りが一時3.115%まで上昇しました。政策金利1.25%と長期金利は別の指標です。長短金利差が広がれば運用利回りの改善が期待できますが、その差がそのまま銀行の利ざやになるわけではありません。

見るべきなのは、貸出金利と預金金利の実際の改定、預金残高、調達手段の構成です。9月25日には日銀の共通担保資金供給オペについて、短期の貸付けも固定金利方式から変動金利方式へ変更すると発表されました。この資金調達を利用する銀行では、借入条件の変化にも注意が必要です。

貸倒費用の増減を確認する

景気が悪化すると企業の倒産や返済遅延が増え、銀行は貸倒引当金を積み増す場合があります。決算資料では貸倒費用や与信関連費用の推移も確認することで、収益の変化を把握しやすくなります。

保有債券の動向にも目を向ける

銀行が保有する国債や外国債券は、市場金利が上がると一般に価格が下がります。ただし、評価損がすべて直ちに当期の損失になるわけではありません。保有目的や会計区分によって扱いが異なり、その他有価証券では評価差額が純資産へ反映され、売却損や減損は利益を押し下げます。

高い利回りの債券へ入れ替えれば将来の収益改善につながる場合もありますが、売却時に損失が出る可能性があります。評価損益の額だけでなく、資本への影響と、実際に計上した売却損益を分けて確認しましょう。

新規投資では一度に買い切らず、決算発表や相場全体の調整を見ながら複数回に分ける方法もあります。銀行の業績が悪化した下落なのか、市場全体に連れた下落なのかを分けて考えましょう。相場急落時の銘柄選びは「暴落時に買いたい日本株10選」でも解説しています。

銀行関連銘柄に関するよくある質問

銀行関連銘柄に関するよくある質問

銀行関連銘柄は、金利上昇局面で注目を集める一方、「今から投資しても遅くないのか」「地方銀行とメガバンクはどちらが良いのか」など、さまざまな疑問を持つ方も少なくありません。ここでは、銀行関連銘柄についてよくある質問にお答えします。

銀行関連銘柄への投資は今からでは遅いですか?

銀行株はすでに上昇している銘柄もあるため、すべての銘柄が割安とは限りません。ただし、今後の金利動向や利益成長、株主還元によって評価が変わる可能性があります。現在の株価だけで判断せず、PERやPBR、業績見通し、配当方針などを確認した上で検討することが大切です。

銀行株は2026年もまだ上がる可能性がありますか?

追加利上げや貸出残高の増加、利益の上方修正、増配・自社株買いが続けば、銀行株がさらに評価される可能性はあります。一方、金利上昇への期待が株価に織り込まれている銘柄では、好決算でも上値が限られる場合があります。銀行株全体ではなく、利益成長と現在の株価評価を比較して判断することが重要です。

銀行関連銘柄は新NISAの対象ですか?

はい。本稿で紹介したような上場銀行株は、整理・監理銘柄などの除外条件に該当しない限り、原則としてNISAの成長投資枠で購入できます。配当金や売却益が非課税になる一方、損失が出ても他の口座の利益と損益通算はできません。配当目的でも株価下落のリスクは残ります。

なお、NISA口座で上場株式の配当金を非課税で受け取るには、配当金の受取方法を「株式数比例配分方式」に設定する必要があります。

メガバンクと地方銀行はどちらがおすすめですか?

メガバンクは国内外の融資や証券・資産運用などに収益源を分散する一方、海外経済や為替の影響も受けます。地方銀行は営業地域の資金需要や預金基盤が重要です。どちらが一律に安全、あるいは成長的とはいえないため、預貸金利ざや、貸倒費用、資本の厚みを比較しましょう。

金利が下がると銀行関連銘柄も下落しますか?

利下げは貸出金利の低下を通じて利ざやを圧迫する場合があります。一方、保有債券の価格上昇や、借り手の金利負担軽減につながる場合もあります。景気悪化に伴う利下げなのかも含め、複数の影響が株価へ反映されるため、金利低下と株価下落が必ず一致するわけではありません。

初心者はどの銀行関連銘柄から検討すればよいですか?

初心者であれば、まず流動性が高く情報も豊富なメガバンクから比較する方法があります。三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループなどが候補です。その上で、地方銀行や高配当銘柄へ投資対象を広げる方法も一つの選択肢です。

まとめ

銀行関連銘柄のまとめをイメージした金融街の銀行建築

日銀の政策金利は1.25%となり、銀行株は利上げの実際の効果を確かめる段階にあります。貸出収益に加え、預金コストや保有債券の値下がりも確認が必要です。

好業績や増配だけで、今の株価が割安とは決まりません。本命5銘柄も、利益成長、PER・PBR、購入価格に対する配当利回りを見比べましょう。

追加利上げを期待して買い急ぐのではなく、各行の業績予想と貸倒費用、資本の状況を確認し、自身の投資期間や配当目標に合う銘柄を選びたいところです。

今なら急騰期待の“有力3銘柄”を
無料で配信いたします

買いと売りのタイミングから銘柄選びまで全て弊社にお任せください。
投資に精通したアナリストの手腕を惜しげもなくお伝えします。

弊社がご提供する銘柄の良さをまずはご実感ください。

▼プロが選んだ3銘柄を無料でご提案▼


銘柄情報を含む朝刊・夕刊の市況配信の他、当社で提供している商品も別途ご案内させていただきます。また、最終的な投資判断はお客様ご自身で行っていただけます様お願いいたします。

執筆者情報

nari

大畠 典仁

日本投資機構株式会社 アナリスト

準大手の証券会社にて資産運用のアドバイザーを務めた後、日本株主力の投資顧問会社の支店長となる。現在は日本投資機構株式会社の筆頭アナリストとして多くのお客様に株式投資の助言を行いつつ、YouTubeチャンネルにも積極的に出演しており、資産運用の重要さを発信している。

“`

記事をシェア
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次